那珂市の地質は、約1500万年前の新生代第三紀中新世時代以降の新しい地層からなっている。第三紀中新世の地層は、多賀層と荒屋層からなっています。
荒屋層とは、下江戸字荒屋の谷に模式的に分布することから名がついたものです。
下江戸、大内、田崎などの丘陵地の谷沿いなどに僅かに露出している約1500万年前の地層で、約1500年前の第三紀中新世の大海進の時代の、海退期に形成された堆積物です。
岩質(がんしつ)は、均質な灰緑色の凝灰質細粒の砂岩(さがん)の細互層で、雲母片を多量に含むなどの特徴があります。
荒屋層は、下江戸、大内、田崎などの丘陵地の谷沿いに露出しており以前は見られたが、現在は雑木雑草に覆われているため見ることはできません。
那珂市の地質年代
多賀層・荒屋層で観察・体験できること
多賀層の露頭、湧水
新生代第三紀中新世(ちゅうしんせい)の地層で、那珂台地で見られる最も年代の古い、約1300万年前の地層で、その付近が海底であった頃の堆積物である。那珂台地の基盤をなす地質である。第四紀層に広く覆われているため、地表での露頭は少なく、北縁の門部、北酒出,南酒出、額田北郷、額田東郷などの周辺部にのみ現れている。泥質岩(でいしつがん)を主とする。岩相(がんそう)変化に乏しく、非常に単調な地層である。多賀層が分布する露頭は、平滑な壁状の崖をつくっている。
多賀層崖の奥から湧水が湧出している。
学習の狙いと内容
- 多賀層の成り立ち
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多賀層がどのようにしてできたかを学ぶ。
- 那珂台地の成り立ちを学ぼう
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わたしたちの住んでいる那珂台地の成り立ちや地質について調べる。
- 化石について学ぼう
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多賀層からは、ナカマチクジラや貝などの化石が採集されている。化石がどのようにしてできたか、化石から何を知ることができるかについて調べる。
ナカマチクジラ(化石)
昭和59年に額田南郷を流れる久慈川の支流谷津川右岸の崖で、露出する地層からハクジラ(マッコウクジラ類)の歯と骨片が発見された。
この地層は淡青灰色の砂質泥岩層で多賀層群瓜連層に属し、約1100万年前の地層である。
この化石は、ナカマチクジラと命名された。現物は、県以前博物館、複製は歴史民俗資料会で展示されている。